会長よりごあいさつ

横手市医師会長 西成 忍  

 東日本大震災から9年が過ぎ、ようやく被災地の復興が見え始めてきた状況の中、今度は新型コロナ感染症のWHOパンデミック宣言が出され、市民の皆さんの不安が高まっています。治療薬もワクチンも開発途上の感染症ですが、少しずつ病態がわかってきています。過度な心配をすることなく生活されることが第一ですし、手洗い等の予防が最も大事なことだと思います。 横手市医師会は市民の皆さんの生命と生活を死守するため、地域行政や県医師会と連携し、この地域の医療崩壊を防ぐために最大限の努力をしていきます。

 一方で秋田県においても医療崩壊に密接に関係している医師・看護師不足、特に勤務医不足と看護師不足は重大で、この横手市でも懸命な努力を続けている平鹿総合病院や市立横手病院、市立大森病院ですら例外ではありません。特に夜間・休日の救急医療現場での勤務医の疲弊は未だに大きな問題になっており勤務医不足の原因にも繋がっています。看護師不足から平鹿総合病院も昨年度から一部病棟の閉鎖の決断が余儀なくされました。この現状が続けば更なる診療科の閉鎖など地域医療に重大な危機をもたらす結果につながることになりかねません。

  現在、横手市医師会会員の半数以上は病院勤務医ですし、非医師会員も含めると2/3以上が病院勤務医になります。地域医療を担う上では開業医も病院勤務医にも差はありませんし、この横手市では病院と診療所の連携はよく保たれています。しかし近年の救急医療の現場、特に勤務医の疲弊は市民の皆さんが考えている以上に大変です。横手市の休日医療体制は、病院の他に輪番制での診療所と休日診療を行っている診療所で一次救急を行っています。横手市医師会では、平成18年12月の市内小児科医による日曜夜間小児救急(平鹿総合病院)から始めた、病院に対する開業医による応援体制(診療参加型病診連携)も行っており、現在は平鹿総合病院と市立横手病院に耳鼻科・眼科・整形外科を加えた休日の開業医による診療応援体制をとっています。しかしながら開業医の高齢化も進行しており、後継者の問題を含め、今後もこの体制を維持できる保証はありません。

 同時に引続き横手市の協力を得ながら、「日中は混んでいるから」「別の用事のついでに」といったいわゆる「コンビニ受診」を防ぐための広報活動も継続していきます。

 ここ数年は市民の皆さんの協力もあって、必要以上の時間外受診は少なくなってきました。市広報にも記載してありますが、急病での救急受診を断っているわけではありません。必要な救急診療はこれまで同様行っていきます。このホームページでは、特に子供の急病や予防接種についての情報をリンクさせていますので、どうぞご利用下さい。

 ここ数年は市民の皆さんの協力もあって、必要以上の時間外受診は少なくなってきました。市広報にも記載してありますが、急病での救急受診を断っているわけではありません。必要な救急診療はこれまで同様行ってまいります。このホームページでは、特に子供の急病や予防接種についての情報をリンクさせていますので、どうぞご利用下さい。

 横手市医師会は予防接種についてもその重要性と安全性を皆さんに呼び掛けています。VPD(予防接種で防げる病気)は子供さんにとって大事なキーワードです。現在は多くのワクチンによって大事な命が救われています。しかし日本のワクチン行政は欧米に比べて20年遅れていると言われています。その大きな原因は保護者に努力義務のある定期接種(現在はジフテリア・百日咳・破傷風・ポリオからなる4種混合、麻疹・風疹のMRワクチン、水痘(水ぼうそう)、結核、日本脳炎、ヒブ(インフルエンザ菌b)、肺炎球菌、子宮頸がん、B型肝炎)だけではなく、多くのワクチンを保護者が接種するかどうかを選択できる任意接種(インフルエンザ、おたふくかぜ・・・横手市では一部補助、ロタ、A型肝炎、黄熱など)としていることや接種料金の無料化を行って来なかったことにあります。任意接種は「きっと必要性や有効性が低いのだろう」と思わせてしまいます。国では理由として任意接種の病気は軽い症状で済むものが多いとしていますが決してそうではありません。特にようやく定期接種化されたヒブは20%以上が死亡や重い後遺症が残ってしまいます。ロシアンルーレットのようなものです。ヒブや肺炎球菌ワクチンで死亡例が出ましたが、これは副作用ではなく副反応によるものでワクチンそのものの安全性は確立されています。日本に限らず例えば麻疹の場合、1,000人罹患すると一人は脳炎になると説明しても自分の子はそうならないと思うのに、ワクチン接種で100万人に一人重大事故があり得ると聞くと、そうなるかもしれないと思ってしまうのです。マスコミも重大事故は大々的に報道しますが、ワクチンで助かっている現状はほとんど報道しません。必要なのは「無過失補償・免責制度」で、疫学データの公表もして来なかった国が責任逃れしている時代ではありません。予防接種は国の危機管理対策の重要な施策です。生後間もない時期からの予防接種の重要性を理解してもらうためには、妊娠時期からの説明も不可欠です。ロタウイルス胃腸炎に対する経口生ワクチンも誕生しました。この胃腸炎は乳幼児の重症胃腸炎のうち最も頻度が高く、5歳までにほぼ100%の子供がかかると言われ、生後3カ月を過ぎてからの初感染時に重症化しやすく有効な薬剤もありません。ロタウイルスは感染力が強く、WHOは全ての地域でのワクチンの定期接種化を推奨しています。また現在、その副反応で問題視されている子宮頸がんワクチンに対しては、情報を収集しながら安全性を求めていきます。

 何よりも、横手市医師会は横手市の行政に働きかけて、任意接種の接種料金補助拡大に向けても努力します。

 さて、横手市医師会は、平成25年4月1日から一般社団法人に移行しました。重点課題の一つに在宅医療連携の推進を掲げています。横手市医師会として行政と連携を保ちながら、多くの職種との連携を深め、在宅医療の充実にも全力を挙げて取り組んでいます。在宅緩和ケアを含む在宅医療体制を三病院と協力し、これからも市民の皆さんとともに地域医療を守るための努力を続けていきます。

 秋田県の平均寿命は男女とも全国平均を下回っていますが、健康寿命(日常的に制限のない期間)との差(不健康な期間)は特に男性の場合、全国平均よりも短くなっています。市民の皆さんの健康寿命をもっと延ばすためにも、介護予防や疾病の予防にさらなる努力を続けたいと思います。

令和2年3月

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担当:高橋